こんにちは、ユウト(yuto_six)です。
当記事執筆時点で、起業7年目。webマーケター/コンサルタントとして活動し始めて3年目で、それまではずっとサイトアフィリで食べてました(最高月収300万位以上)。
僕が得意としているのは、「メルマガ /公式LINEを活用したデジタルコンテンツの自動販売」なのですが、そのノウハウについて発信したりコンサルをしたりしていると、以下のような質問をもらうことがあります。

「セールスレターって、何であんなに長いんですか?」

セールスレターって長くないとダメなんですか?
こう思う気持ち、めちゃくちゃわかります。
僕も初めてセールスレターを見た時(その時は「セールスレター」という単語を知らなかった)や、初めてセールスレターを書こうとした時は、上記のような疑問を持ちました。
でも、結論を先に言ってしまうと、「基本的に、セールスレターは長い方が良い」です。
中には短くてもセールスが成立する場合や、そもそもレターがなくても売れてしまう場合もあるので「基本的に」と言ってますが、まあそういうのは例外的なレアケースだと思ってください。
今回の記事は、「なぜセールスレターは長い方が良いのか?」という問いに対する明確な答えをバシッと提示していきたいと思います。
この記事を読み終わる頃には、あなたの中にあるセールスレターの長さに関する疑問が解消されているはずですので、ぜひ、最後までしっかり読んでみてくださいね。
なぜ、長いセールスレターが必要なのか?
僕はもったいぶるのが好きではないので、初めにこの問いにバシッと答えておきますね。
答えは単純です。
長い方が売れやすいからです。
例えばの話ですが、あなたの前に何かのセールスマンがやってきて、ぶしつけに「○○という商品を買ってください」と言ってきたとしたら、あなたはその商品を買いますか?
おそらく、買わないですよね?
(よほど商品が魅力的でもない限り)
では逆に、あなたの前にやってきたセールスマンが、
①まず、すごく丁寧に挨拶をしてきて、
②あなたの苦労をねぎらい、悩みに深く共感してくれて、
③あなたがちょうど欲しいと思っているような商品を提示してきて、
④その商品が生まれるまでの感動的なエピソードや、その商品にかけた熱い想いを話してきて、
⑤その商品を買うとさまざまな魅力的な特典がついてくると説明した上で、
⑥その商品がもう残り1つしかなく、今を逃すと永遠に手に入れることができない、
と案内してきたら、どうですか?
「それでも買わないよ」と思うかもしれませんが、少なくとも、前者のセールスマンに比べたら、買いたい気持ちが起こりそうじゃないですか?
ざっくり言うと、これがセールスレターが長くなる理由です。
人はものを買う時、だいたい以下のようなステップを辿ってから購入に至ります。
- 商品を知る
- 商品を信頼する
- 他の類似商品と比較する
- その商品を購入することに納得する
買おうとしている商品(サービス)が高価であればあるほど、人は入念に検討し、買う瞬間には何度も自分を正当化します。
逆に言えば、あなたが商品を売る場合、お客さんにこのステップをきちんと踏ませてあげられないと、商品を購入してもらうことはできません。
先ほど例に出した1人目のセールスマンから人が商品を買わないのは、「ぶしつけで失礼だから」というのも勿論ありますが、商品に対する説明が全くなされていなかったり、感情が全く揺さぶられなかったりと、「買われない要因」がたくさんあるからなのです。
セールスマンは、「こんにちは」と言った後にちょっとだけ話をし、あとは注文書にサインしてもらおうなどと考えてはならない。相手の感情と理性が買うことへ向かうよう言葉を尽くさなければならない。
ヴィクター・シュワブ(コピーライター)
説得力の三大要素
古代ギリシアの哲学者アリストテレスは、自身の著書『弁論術』の中で、「説得の三大要素」というものを説いています。
説得の三大要素とは、つまり、
- エトス(話し手の信頼性)
- パトス(聞き手の感情の動き)
- ロゴス(話そのものの論理性)
の3つです。
優れたセールスマンがどんどん商品を販売できるのは、お客さんとの信頼関係を築くのが上手く(エトス)、お客さんの感情をトークで揺さぶることができ(パトス)、最後に、その商品を「今」買わないといけない正当性をロジカルに説明できるからです(ロゴス)。
誰もが名前を知っているような大企業と違い、個人にはブランド力がありません。
ブランドがあれば、「まあ、ヴィトンのバッグだし」みたいな感じで大した理由がなくても商品が買われることもありますが、個人の商品の場合そのようなことはまずあり得ません。
ブランドがない個人商品を販売するためには、「お客さんが悩みを解決するためにには自分の商品を購入することがベストである」いうことを、説得により納得してもらうしかないのです。
人を説得するためには、エトス、パトス、ロゴスが必要。そしてそれら全てを兼ねてセールスを行うためには、ある程度の「テキスト量」が必要なのです。
セールストークであれば、お客さんに商品を買うことを納得してもらうためにはどうしても「言葉数」が必要ですし、セールスレターであれば、どうしても「文字数」が必要になるということです。
大事なのは、「結果的にレターが長くなる」という考え方です。
「長いから良い」のではないですし、「長くしなければいけない」でもありません。
「良いセールスを行うためには、長さがどうしても必要」だということです。
大は小を兼ねる
ちょっと別の角度からも、セールスレターに長さが求められる理由を説明してみたいと思います。
あなたは、「商品を買おうか迷っているお客さん」がどのような情報を欲しがるかをイメージすることができますか?
ちょっと考えてみてくださいね。
thinking time
……おそらく、いろいろなものが出てくると思います。
例えばですが、
- 具体的な商品内容
- 値段
- 買うことで自分がどうなれるのか
- 他の商品と比べてどんなメリットがあるのか
- どんな特典がついてくるのか
- 保証制度はあるのか
- いつまで販売されているのか
などなど。
ちなみに、ここで挙げたものはセールスレターの構成要素となるものです。
「お客さんが知りたがるであろう内容を、前もって全て書いておく」
という考え方が、セールスレターを作る上ではとても大事。
要点が簡潔にまとめられた短いレターだと、「商品内容を入念に確認してから購入を検討したい」のニーズを満たせないので、そういったお客さんを取りこぼしてしまう可能性があります。
その点、情報がふんだんに詰め込まれたレターをあらかじめ用意しておけば、どんなお客さんが来ても対応することができるようになります。

長すぎると長文が苦手な人は離脱しちゃうでしょ
と思う人もいるかもしれませんが、そもそも長文が苦手な人は、
「スクロールを多用しながらザーッとレターを流し見していき、気になったところだけ読む」
という読み方をすることが多いので、こちらが思うほどレターが長いことに対して不満を抱いていなかったりします。
というか、
長文が苦手でない人でも、基本読み飛ばしつつ必要な情報だけ拾っていく、という読み方をする場合が多いです。
つまり、長文が苦手な人のために最初からセールスレターを短くしてしまうのは、結果的にかなり多くのお客さんを取りこぼしてしまうのです。
「大は小を兼ねる」という言葉がありますが、まさにそんな感じ。
- 短すぎるレターではできない説得が、長いレターでは行える
- 長い文章を読むのが苦手な人は、(ほぼ無意識的に)工夫しながらレターを読み進めてくれる
こういった点からも、レターは短いより長い方が良いと言えるわけです。
広告について最もよく聞く言葉は、人々はあまり読まないというものだ。しかし、大きな利益を上げている広告の多くを見てみれば、我々が思うより、人々がよく読んでいるということがわかる。
クロード・ホプキンス
(広告マーケティングのパイオニア)
ブランド力と商品を売るために必要なテキスト量は反比例する
先ほどもちらっとお話ししましたが、セールスレターは、「まだブランド力がない個人」がネットで商品を販売する時に有効な戦略です。
逆の言い方をすれば、個人でもブランド力がある人はセールスレターを書かなくても商品を売ることができるということです。
例えばですが、人気youtuberのヒカキンさんが「今から大物youtuberになるための全てが学べる講座」みたいなのを5万円で売り始めたら、メルマガやセールスレターによる教育を行わなくても、おそらく売れますよね。
逆に、youtubeマーケターとしての実力は十分にあるけれど影響力が全くない人が、「今から大物youtuberになるための全てが学べる講座」を販売したとしても、webマーケティングをしっかりと行わなければなかなか売れないわけです。
ブランド力の強さと、商品を売るために必要なテキスト量は反比例します。
ブランドがある個人(企業)が商品を販売する場合、
- ブランドイメージで信頼や権威(エトス)を
- CMなどで感情の揺さぶり(パトス)を
満たすことができてしまうので、あとは店頭のスタッフの事務的な案内や、販売ページなどの簡潔な説明(弱めのロゴス)でも、普通に商品が売れてしまったりします。
逆にブランド力がない個人は上記のような形で、お客さんに商品を買ってもらうために必要なエトス、パトス、ロゴスを満たすことができないので、必然的にテキスト量が多くなる、というわけです。
あなたの名前にブランドが乗れば乗るほど、セールスレターは短くなり、美しくなるという話
あなたは今、セールスレターを書いて自分の商品を売っていますか? あるいは、これからセールスレターを用いて商品を販売していこうと思っていますか?
ブランド力がない個人はそれがある個人や企業に比べ商品を販売する難易度が高いので、セールスレターの威力を高めるためにさまざまな技巧を凝らす必要があります。
例えば、
- 何万文字という膨大な文字数であらゆる角度から訴求しまくる
- レターにタイマーを設置する
- 購買を煽るゴリゴリのコピーライティングを行う
- 赤を基調とした視覚的な強調を行う
などですね。
ただ、自分の商品を売るという経験をしたことがない人や、ビジネスやセールスの理解度が低い初心者には、こういった「あからさまなセールスレター」に苦手意識を持つ人が多いです。(ちなみに僕も最初はすごく抵抗がありました)
でも実際のことを言ってしまうと、やっぱりテンプレ化してるだけあって「あからさまなセールスレター」の構成って人の心に刺さるんですよね。
少なくとも、「デザインとかに無駄にお金をかけた、見てくれは良いけど中身がスッカラカンのレター」よりは遥かに売れます。
これはあくまで個人的な考えですが、まだブランド力も資金力もない最初のうちは、あまりダサさとか気にせず、稼ぐこと(成約を取ること)に愚直になった方が良いです。
なぜならその方が早く結果が出るからです。
そして早く結果が出るということは、その後の展開も必然的に早くなるし、結果が出ないことにモチベーションダウンして挫折してしまう可能性も減ります。
初心者こそ、早く結果を出し、早く突き抜けるべき。そうすればブランド力は後からついてきます。
最初のセールスで得たお金をうまく活用してビジネスを拡大し、膨らませた資金を使って徐々にブランド力を高めていく。
そうすれば、セールスレターをどんどん短くしていくことができるし、特に煽るようなことをしなくても商品が売れるようになっていきます。
世の中には、「ダサく見られるのが嫌だから」「怪しく思われるのが嫌だから」という理由でこの工程をすっとばして、いきなりブランド力がある人と同じような売り出し方をするような人たちが一定数いるのですが、ほとんどの場合、そのやり方では上手くいきません。
弱者には弱者に合った戦略というものがあります。無名の人ほど、初心者の人ほど、コピーライティングを始めとするセールスのテクニックはガンガン使うべきだし、多少見てくれが悪くなっても効果があるものを愚直にどんどん取り入れて、スピード感を持ってビジネスに取り組むべきだと僕は思います。
無名のうちからカッコつけようとすると、逆にダサいっすよ
ユウト(僕です)
セールスレターの最適な長さはあなたとお客さんの関係性によっても変わってくる
人によって性格はさまざま。マーケティングのやり方もまた、人によってさまざまです。
当然、どのマーケターの販促活動に乗っかるかによって、セールスレターに辿り着いたお客さんの状態には大きな差が出てきます。
極端な話をすると、
「①SNSやブログから直でセールスレター(販売ページ)に繋ぐ人」
と
「②ステップメールやステップLINEで入念に顧客教育を行ってからセールスレターに到達させる人」
のマーケティングでは、セールスレターに至った段階でのお客さんのマインドや商品に対する期待感には大きな差があるわけです。
つまり、①の人と②の人のあいだでは、セールスレターに書かなければいけない「要素」や、それを掘り下げるための「文章量」も変わってくるわけです。
- あなたのセールスレターを読むのはどんな人なのか(どんなお客さんにセールスレターを読んでもらいたいのか)
- その人はどういった導線を辿ってセールスレターに辿りつくのか?
などといったことを考えてみると、あなたのセールスレターの最適な形が見えてくるはずです。
あなたの目的とお客さんの目的をそれぞれ達成した上で、お客さんが気持ちよく商品を買うことができる、そんなセールスレターが書けたら理想的ですよね。
まとめ
今回は「セールスレターは長い方が良いか短い方が良いか論争」に終止符を打つつもりで、短いレターに対し長いレターがいかに優位であるかを解説してきました。
参考になったでしょうか。
話の本筋からは外れますが、途中に織り交ぜた「説得力の三大要素」に関する話や、「ブランド力」に関する話も、非常に奥が深い、ビジネスを行う上でとても重要な概念です。
これらのことをきちんと理解し、自分のビジネスに反映させていけば、個人の影響力やそれに基づく売り上げもグングン伸びていくはず。
余力がある方はこちらについても勉強を深めてみると良いでしょう。
それでは最後に、セールスレターに付いて考えたり実際に書いたりする上で、1つ、僕が大切にしている名言を引用して、この記事を締めくくりたいと思います。
長すぎるコピーというものはない、退屈なコピーがあるだけだ。
ゲイリー・ハルバード
(世界一のコピーライターと呼ばれた男)
この度は当記事を最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました。
途中にちょいちょいあった名言みたいなの……なんなんすか?
と思った人もいると思うので、一応解説しておきます。
あなたは『現代広告の心理技術101』という書籍をご存知でしょうか。
少しでもコピーライティングをかじったことがある人なら、このタイトルを聞いたことがないという人はほとんどいないはず。
おそらくですが、コピーライターを自称している人たちのほとんどがこの本を所有しているのではないでしょうか。それくらい知名度の高い、バイブル的な本です。
僕は普段、あまり人に本を勧めるということをしないのですが、この『現代広告の心理技術101』は、コピーライターやwebマーケターに限らず、「ネットで食っていく」という生き方をしている人は絶対に読んでおいた方が良いです。
僕は仕事柄コピーライターやwebマーケターの友人が多いのですが、「おすすめの本、ある?」という抽象的な質問をすると、わりと早い段階でこの本の名前が挙がってきます。
……と、ちょっと話が逸れちゃったので軌道修正しますが、「この記事の途中にちょいちょいあった名言みたいなの」は全てこの本の中から抜粋したものです。
(「名言みたいなの」ではなく、実際に名言だと思います)
別に『現代広告の心理技術101』はコピーライティングの名言集ではありませんが、名言も含め、本書には文章によるマーケティングを行っていく上で欠かせない思考法やマインドを養うエッセンスがたくさん散りばめられています。
おそらく、この記事をここまで読み進めてくれた方であれば、誰にとっても必読書になるはず。
もし、まだ読んだことがないという人がいたら、ぜひ読んでみることをオススメします。僕はディスプレイを重視した機能性の低い本棚に飾ってバイブル化してます。
需要に対して発行部数が少ない本なので、ちょっと値段が張りますが、下手なコンサルや教材を買うよりは圧倒的にコスパが良い自己投資になるはずです。